グローバル人材育成メディア 海外転職を通じた「自己分析」で、自分のもつ「強み」はよりクリアになる。

海外転職を通じた「自己分析」で、自分のもつ「強み」はよりクリアになる。

対談記事 2023/06/06

こんにちは!フーリアマーケティング担当のMIRAIです。

突然ですがあなたは「自己分析」をしたことはありますか?

一般的な方は、就職活動の入り口として自己分析を行い、「自身の強みとは何か?」「自分に向いている仕事は何か?」「自分のやりたいことは何か?」を探ってこられたかと思います。

今回は海外転職を通した自己分析で、ご自身の能力値をよりクリアにした方をご紹介いたします。

次のキャリア形成へつながる「深い自己分析」はどんな経緯で行われるのか、海外転職を経験された方にお話を伺いました。

 

A:水元健太(みずもとけんた)さん(インタビュアー)

B:高林凌(たかばやしりょう)さん(回答者)

C:アイリさん(インタビュアー)

海外転職のキッカケ


 

 

A:さっそく根掘り葉掘り聞かせていただきます。経歴と現在の仕事内容をお聞かせください。

 

B:高林凌と申します。早稲田大学の商学部を2016年に卒業して、現在社会人7年目になります。

前職は楽天株式会社でECコンサルタントとして働いていましたが、社会人3年目の夏に海外転職を考え始め、そこから半年後の2019年1月に、ベトナムのホーチミンの方へ移住・転職をしました。

弊社は日本人向けのフリーペーパーを発行しており、社長も日本人の方です。

マレーシア、シンガポール、インドネシアなどの東南アジア各国で同様のフリーペーパーを発行しているので、見かけたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

私は会社でフリーペーパーの広告営業と、編集記事や特集の企画を担当していました。

また、「これから一緒にWebメディアを育てていこう」と当時の社長から声をかけられ、SNSの運用や記事の制作、広告の運用を担当いたしました。

 

A:海外に転職しようと思われたキッカケはなんでしょうか?

 

B:幼少期に、親の仕事の関係でアメリカインディアナ州のエバンスビルという町へ行き、約4年間生活しました。

このときの海外経験があったので、アメリカから日本に帰ってきてからも漠然と「海外で働きたいな」と考えていました。海外転職の大きなきっかけとなったのは、社会人2年目のときに楽天で働いていて、自分の将来のキャリアについて考えたとき。

そこで、『キャリアシフト』という、とある書籍に出会ったのですが、私が海外転職する際にお世話になった方の著書でした。

その書籍には東南アジアの転職キャリアがオススメと書かれており、自分でも調べたり相談したりした結果、本格的に東南アジアで海外転職しようと決めました。

もともと東南アジアは学生時代にバックパックの旅行もしていたので、街の雑多な感じや自由な雰囲気が好きでした。

海外転職の際は東南アジアの中でも、どの国が良いかを考えて、その中でベトナムを選んだという流れです。

ベトナムは経済がこれから伸びていく場所であるという点と、海外移住者の最初のスタートとしては始めやすい場所だと言われていたので、そうした理由もあって選びました。

また、昔アメリカに住んでいたことと、ヨーロッパ方面は学生時代に短期留学をしたこともあったため、「東南アジアで生活する」という初めての経験に興味が湧き、その中でベトナムを選択しました。

 

A:海外転職したいという方が最近増えてきていますが、実現できている方は少ないと感じます。海外転職するために「必要なスキル」はありますか?

 

B:強いて言うなら、「飛び込む勇気」ですかね。シンプルにやるかやらないかという点だと思います。幸いにも、僕は周りから反対されることはほとんどなく、自分で決断できる環境にありました。

当時『キャリアシフト』の著者の方が提供されていたオンラインの転職支援サービスに申し込んだおかげで、スムーズに海外転職の準備ができました。

通常であれば、働きながら情報収集もして、海外転職を行う、となると僕一人だけでは様々な決断・実行は難しかったため、転職支援サービスはとてもありがたかったです。

 

A:海外転職を検討されたときのステップとしては、まずはじめに海外転職支援のプログラムに参加したというのが第一歩という形ですか?

 

B:そうですね。まずはFacebookのメッセージ経由で著書の方に連絡を取ったところからスタートしました。

プログラムの内容としては、「自己分析を改めて行う→価値観を明確にする→職務経歴書・履歴書を書く→英語バージョンの職務経歴書・履歴書を書く→面接対策」という流れでした。

2〜3週間ごとに1回Zoomでカウンセラーの方とお話を繰り返して、転職内定をいただくという流れでした。

 

A:もともと英語には抵抗がなかったということでしょうか。

 

B:今でもペラペラと話せるわけではありませんが、昔アメリカに住んでいたこともあったので、英語に対する苦手意識はほとんどありませんでした。

また、楽天は公用語が英語で、新入社員はTOEIC800点以上が求められましたが、私は地方支社に配属されたので、会社でも英語はめったに使いませんでした。

英語の実際のスキルはどちらかというと海外に来てから自然と身についていったように感じます。

 

A:海外就職の際に「これくらいの英語力は必要だ」というような指標はありますか?

 

B:ベトナムは特にフィリピンやシンガポールと比べても英語を使う頻度は少ないので、英語力はそこまで重要ではないように感じます。あまり喋れない状態で移住してる人も結構いると思います。

ベトナム語は習得が難しく、日本人が使いこなすのはなかなか難しいですが、簡単な英語であればベトナム人も話せますし、買い物をするときも英語で声をかけて通じる場所も多いです。

グーグル翻訳等をうまく使いながら、約300文字くらいの英文メールを書くなど、練習を積み重ねて習得していくようなイメージです。

 

A:ちなみに、ベトナムに行くまでにされた準備、準備をした方が良かったと思うことはありますか?

 

B:私がしてきた主な準備は「キャリアの設計」と「自分を知ること=自己分析」です。自己分析や自分の価値観をある程度明確にする作業は日本にいながらもできることかなと思います。

もちろん海外に出ていってから価値観が変わることもあると思いますが、おおよそのキャリアの方向性は事前にはっきりさせておいた方が、将来迷うことが少なくなると思います。

また、英語など海外で使う言語については、自己分析の作業と並行して練習していくと良いと思います。

転職前にも英語で面接を受けるような場面もあると思いますが、あまり重視しすぎず、必要になったタイミングで行う程度で良いと考えています。

 

ステップアップの流れ


 

 

A:ご自身でキャリア分析をしてみて、出てきた結果はどんなものでしたか?

 

B:楽天に入社する前の就職活動のときから、キャリアに対する自分の考えが大きくは変わっていないように思います。

就職活動のときから、将来は海外で活躍したいという願望があり、その中でまずは自分の力が付けられる会社が良いと考え、リクルートや楽天などのメガベンチャーを狙いました。

結果、新卒で楽天に入社しましたが、その後も転職しながらステップアップしたいとは考えていました。

また、最終的には独立しようと思っていたので、楽天の次のステップとして海外転職、そして起業する、というキャリアを目指すことにしました。現時点では、当初考えたプラン通りに進められていると感じています。

 

A:当初考えられていたプランの中で、海外ではどういう経験をして、どんな力を得たいと思われていたのですか?

 

B:得たかったスキルでいうと、たとえば海外の異なる価値観を持つ人たちとでも通じ合える、コミュニケーション能力です。

外国人を相手に交渉ができるコミュニケーション能力は将来グローバルに活躍する上では必要だと思ったので、そうしたノウハウは身に付けたいと考えていました。

例えば、シンガポール系の工業団地デベロッパーの担当者に提案したり、スペイン料理屋のオーナーさんと話して「弊社の広告媒体は◯◯」と、企画を紹介するなど。

最低限の語学力に加えて、営業力も必要です。最終的には成約しないといけないので、どういうタイミングでどんな話をすれば良いかという外国人相手の営業感覚は、海外で働いてみて少しずつ掴めてきたように感じます。

日本ではアポイント時間どおりに訪問するのは当たり前ですが、海外の特に店舗系のお店だと「やっぱり来週にして」とか「2時間後にして」と平気で言われます。

最初は戸惑いがあったのですが、活動しているうちに柔軟なコミュニケーションスキルはついてきたと感じます。

 

A:営業内容としては、たとえば飲食店の方に対して、日本人向けのフリーペーパーに広告を載せませんか?という営業ですよね。

 

B:そうですね。フリーペーパーのお客さんの7割ぐらいが日系の会社で、大手企業だと例えばOKAMURAさんやFUJIFILMさん、他にも現地にお店がある日系の居酒屋まで幅広くあります。その他3割ほどが外資系の企業という感覚です。

弊社はシンガポール、マレーシアなど各国に拠点があり、それぞれの国の在住日本人向けにフリーペーパーを週刊発行しています。ベトナムは現在ホーチミンとハノイの2拠点があり、規模感としては日本人が5人〜10人、ローカルのスタッフも10人程度、合計25人前後のチームで仕事をしています。

 

A:日本でも、楽天にいらっしゃったときは日本人向けに営業をされたと思いますが、やはり日本人相手と外国人相手の営業で何か違いはありますか?

 

B:そうですね。先ほどのアポイント時間の例以外に、海外では営業スタイルもかなり柔軟になったと思います。日本にいた頃は、最初にメールして、電話して、アポイントを取り、10ページの資料を準備し、ヒアリングして提案する、というような基本的な型があったように思います。

一方、海外に来てから営業資料は必ずしも必要でなかったりします。例えば、カクテルバーで偶然知り合った方から「これからホーチミンで病院を立ち上げる」という話を聞き、それがきっかけで大きな契約が決まったこともありました。

製造業や飲食店など、業界のお客様に合わせて柔軟に営業スタイルを変えるという方法は、海外に来てからより強く学びました。難しさもありましたが、とても充実した体験でもあったかと思います。

 

成功者の共通点


 

 

A:海外で実際働いてみて、「日本のときよりも成長できたな」と思う部分はありますか?

 

B:将来は会社を経営してみたいと考えていたので、そのために必要な経験は、海外に来てからのほうができたと感じています。

ただ、自分の場合は、日本か海外で働くかという違いよりも、大きな組織の企業か小規模の組織で働く、といった違いかと思っています。

楽天にいた頃は大企業で何万人規模、現在の会社が25人という中小企業かベンチャーという規模だったのですが、例えば楽天では同じ営業マンが全国に500人いて、皆で同じものを売って、その中で競い合うという仕事をしていました。

企業の全体像はなかなか見えなくて、自分の役割は限定的だと感じていました。

しかし、海外に来てからは、自分は営業ではありつつも、Web制作のディレクション、請求書の作成、集金など幅広い業務をしていました。

加えて、会社経営的なのところでは「自分が営業でこれぐらいの数字を取らないと、年間売上目標を達成できない、そうすると自分の給料も下がるし、スタッフの給料にも還元されない」という考え方ができるようになったり、会社やプロダクトの価値を高めるために、新しい記事を作成する計画やライター採用の活動などの業務もやっていました。

このように小さな組織で働くことで、会社の全体像が見れるようになり、自分が将来会社を経営する上で役に立つ経験ができたと感じています。

 

A:会社を起こすならどんな会社にしたいといった理想はあるのでしょうか?

 

B:Web系にはなると思うのですが、特に現時点でこだわりはありません。

マーケティングをするとなると、ベトナムの現地の人向けに何か商品をヒットさせる会社をやりたいと考えています。

お客さんの集客を支援する側を5〜6年やってきたので、いつか自分のサービスを世に広める挑戦もしてみたいです。 

 

A:国内国外問わず今までの経験の中で、今のキャリア・働き方につながっていて、やっていて良かったなって思うことは何かありますか?

 

B:新卒で、ある程度の社会人スキルが身に付けられる大企業で働けた経験はよかったと感じています。

「守・破・離」の考えがあると思いますが、ビジネスマンとしての基礎、営業のルールやビジネスマナーは最初からベンチャーに入るとなかなか独学で身につけることは難しい。

日本にいた頃の営業の仕事だと、中小企業の経営者に対して営業することが多く、そうした経験もあったため、海外でも積極的に営業することができたと思っています。

 

A:今まで出会った方の中で、「この人すごいな」と思える働き方やキャリアの築き方、会社の経営方針などあれば教えてください。

 

B:ベトナムには起業家気質の人が多いですが、自らのコーヒーブランドを立ち上げた「ガーデンバール&コーヒージャパン」の社長さんは、私が最も尊敬している経営者の一人です。

機会に恵まれ、社長さんに何度かお会いしたことがあるのですが、その方は10年前からベトナムに来られていて、ベトナムの地方でコーヒー豆を製造して日本のカフェやレストランに卸したり、大阪で店舗運営もしています。

実はベトナムは、コーヒー豆の生産がブラジルに次いで世界2位というコーヒー大国でもあります。

最近だと、国内外で30店舗近く展開されている「Pizza 4P’s」さんもかなり有名です。

聞いた話だと、お店ができた最初の頃は在住日本人のお客様に応援され、その後観光客が増えていき、ベトナム人からの知名度もさらに上がった結果、今ではどの店舗も大繁盛しています。

このように海外で活躍する先輩起業家の方が身近にいるだけでも、かなりの刺激になります。

 

A:凌さんから見て、成功者の共通点はあるのですか?

 

B:私はまだ成功しているわけではないので正直わかりませんが、私が知っている範囲で起業家として成功している方は、熱量はもちろんのこと「ビジョン・ミッション・パーパス」が明確にあり、「目指すべき目標」に向かって愚直に行動し続けている人だと思います。

今でも高い熱量をもって、事業をやり続けた人が、成功者と呼ばれていると思います。

なので共通点は「続けること」ですかね。皆がやってないことをやり続け、正しい方向で努力した人が成功しているように感じます。

 

「多様な価値観」に触れる


 

 

A:海外に行って一番良かったこと、価値観が変わったことはありましたか?

 

B:一番良かったことは、様々な価値観、生き方を知れたことです。起業家の方々とたくさん話を聞くことができたことも貴重な体験だったと思います。

日本人だけでなく現地のベトナム人からも刺激をもらいました。自分が一番衝撃を受けたのは、日本とベトナムのお年玉の文化の違いです。

ホーチミンなど日本で言う東京で出稼ぎをした人たちが、旧正月で彼らの田舎へ帰る際に、子供たちにはもちろん、自分の親や祖父母にもお年玉を渡すという文化があります。

今の日本だったら真逆で、成人した大人でもおばあちゃんや親戚からお年玉をもらう人もいるかもしれません。お年玉をあげる若者の側も、決してお金に余裕があるわけではありませんが、そういった風習があることにとても感銘をうけました。

文化の違いもありますし、単純にベトナム人の生活、世界観に触れることで考え方が広がったと感じています。

上記はほんの一例ですが、ベトナムの若い世代には逞しい人がとても多いように感じています。

また、新しい事柄に触れることで自分の立ち位置がよりハッキリしたと感じます。例えば、「自己分析」とは他と比較するからこそ、相対的に自分を分析できるものだと思っています。

日本は特に、同質的・均一的で似たような考えを持つ人が比較的多いと言われています。

似た者同士の中で自己分析するより、世界中の多様な価値観に触れた後に自己分析をする方が精度は高いかと。それが一番に感じるベネフィットです。

 

A:比較対象が増えることにより自分の強みや特徴がよりクリアになっていて、やりたいことがさらに見えやすくなってきたということでしょうか?

 

B:そうですね。比較軸が増えると自分の強みや特徴も見えやすくなりますし、さらには「選択肢が増えてきた」という感覚もあります。

日本を飛び出して海外に来ないと出会えない人が多いと考えていたので、現在の営業の仕事も「いかにたくさんの人に会えるか」という軸で選びました。

フリーペーパーの営業活動を通して様々な業界の方にお会いでき、人脈やコネクションができたので、まさに、セカンドキャリアとしてピッタリだったと思います。

 

A:今後のキャリアの築き方もベトナムに残る前提ですか?

 

B:将来的には多拠点生活をしたいなと考えています。ベトナムのホーチミン、ダナンと日本と、将来的には違う国との行き来も検討したいと思います。

先輩起業家のように、1ヶ月ごとに転々と暮らすような生活をしてみたいですね。

また、東南アジア、特にベトナムではとてもエネルギーを感じます。何もなかった畑の土地から、数年後にいきなり40階建てのマンションができたりするからです。

10年前のベトナムの景色と今のベトナムの景色は全く違うものだったりします。まずは、成長著しいベトナムで、自分も成功を収められるよう頑張りたいなと思っています。

 

一歩踏み出すアドバイス


 

 

A:今はキャリアに悩んでいる若い方が多いと思います。ぜひ、アドバイスをお願いします。

 

B:ワーホリ等を検討している方は、10代・20代など若い方が多いと思いますが、とにかく若い今のうちに「一歩踏み出して動くこと」でしょうか。限られた時間の中で沢山行動を起こした方がいいと思います。

時間が経つと、結婚したり、子どもが生まれたり、親の介護の問題とかも出てきます。自由を謳歌できるタイミングがとても貴重な時間ということを自覚して、後悔しないよう早く動くこと。

80歳になったとき、「あのとき経験しておけば良かったな…」と思いながら老後を過ごすのはもったいないと思います。最終的には「一歩踏み出す勇気」ですね。

 

A:完璧を求めすぎず飛び込んでしまうことがやはり大切ということでしょうか。

 

B:まずは飛び込む方が大事だと思います。海外に来てから身につくものがほとんどだと思っているので、必要以上に「何かができないから」という先入観は捨てた方が良いかと思います。

例えば、「あなたはこの仕事ができますか?」と聞かれて、「死ぬ気でやります!」と言ってから、そのあとに全力で勉強してキャッチアップする、というような感覚だと思います。

 

A:本当にそのとおりだなと思いました。だいたい「半年考えます」というような返答をされる方で、半年考えた末に良い方向に変わった方はいないんですよね…。

 

B:日本だと「大学に入る」や「新卒で大手に入社する」など、人生のステージが決められていて、ひたすらそのレールを登るような感覚で、最終的に「定職に就く」ことがゴールと考える日本人も多いと思います。

だからこそ、初めて仕事を変えるという「転職活動」は「自分で初めて何かを捨てる決断をすること」とも言えます。

慎重になるし、勇気がいります。その不安の中でも、「今あるものを捨ててでも、次に進みたい」と思えるかどうか、その可能性に期待ができるのかを決断することが大切です。

実際に後悔するかもしれないけど、やらない後悔よりやった後悔の方が学びが大きいと僕は思います。

まずはふらっと海外に行ってみて、上手くいかなければ1ヶ月で帰ってくればいいという感覚で行動するのがおすすめです。北海道に行くとか、沖縄に行くとか、特に東南アジアに行く場合は、そのような感覚でできると思っています。

 

C:海外に踏み出すとき、周りの人も海外に意識を向けていたのか、それとも自分一人で海外転職を考えたのか教えてください。

 

B:当時は、周りに同じ考えを持つ人はあまりいなかったですね。海外転職については、ほとんど自分ひとりだけで考えました。

海外に住んでる日本人は現在約130万人程度と言われていて、日本の人口1億2千万人なので、ざっくり計算すると約1%、つまり100分の1程度なんです。

それぐらいの確率なので、日本では自分の周りでも「海外に行きたい」「海外に移住したい」と言う人は結構少なかったと思います。

そのため自分の場合は、まずは書籍を読んで、行動に移し、幼少期から抱いていた「海外で活躍したい」という願望に向けて一歩踏み出してみました。

 

C:転職する方が多い中、それすら大きな勇気が必要だと思うのですが、やはり海外転職となると、また一層大きな勇気が必要なんだなと思います。そこの壁をこえて、どうやって勇気を出せるのかと考えたときに、周りの人がもっと当たり前にグローバルな環境を知っていたら良いんだろうなと思っていました。

 

B:身近に海外志向の人がいると頼もしいですよね。ベトナムに来てから、結婚に関する価値観の違いも知ることができました。

僕らは日本人同士で結婚するのが当たり前という考え方ですが、ベトナム人からすると外国人と結婚する方がステータスだったりします。

これは、あまり日本人にはない感覚かなと。働き方の話でも、「海外で働く」「フリーランスになる」「田舎で農業する」などそれらはあくまでも横並びの1つの選択肢であるという考え方を、もっといろんな人に知ってもらえたらなと思います。

 

キャリア形成に対する考え方


 

 

C:日本においては、人がひとつの組織内でキャリアアップしていくことを正当化しているような風潮がありますが、この考え方は海外と違いはありますか?

 

B:ちょっと回答になるか分からないですが、資本主義社会の中で、大きな稼ぎを作ったり、社会のために貢献をするためには、自分のスキルを常に高め続ける必要があると思います。

自分も経済的・時間的に自由になりたいですし、もっと世の中に貢献できるように、大きな影響力をもつような人間になりたいと思っています。

しかし、自分の今の力ではまだそれが不十分なので、違う環境で様々な経験をしたり、勉強をしながらステップアップを目指します。

「社会に貢献できる人間になれるよう、スキルアップのための努力を続ける」というのが大きな軸であり、「一つの企業で働き続ける」とか、「転職する」「海外に行く」などは、あくまでもその理想を実現するための「手段」だと考えています。

自分は様々な人と仕事をしたり、色んな職場環境で仕事をした方がむしろ身に付くものが多いと思っていて、たとえば「この会社でこういう経験を身につけよう」「そのあとは、独立して会社経営をやってみよう」というように人生設計をしても良いと思います。

もし目指すべきものがわからなかったら、「この人の、こういう生き方を自分もしたい」というロールモデルになる人を探し、最初はその人を真似てみて、そのあと自分なりにアレンジしていくのもオススメです。

今は副業が当たり前、リモートワークが当たり前、その上に一回フリーランスになってからまた会社勤めになる方もいらっしゃるので、より正解が見えない分、ロールモデルを見つけて人生設計をしてみて、その上で組織の中でのキャリアアップも上手く活用すればいいと考えています。

 

C:もし海外で働きたいという大学生がいたら、最初に海外に行くことをおすすめしますか?それとも社会人何年目で海外に行くべきなど、おすすめする時期はありますか?

 

B:まず一回は日本で働いた方がいいという意見をよく聞きますが、僕は結構同意で、基本的なビジネスのイロハを日系企業で学ぶことは大事だと考えています。

日本は世界の中でGDP3位の先進国であり、東南アジアで働いていると日本の当たり前の基準が高いことを思い知らされます。だからこそ、日本で当たり前の働き方を身に付けて、そこで学んだことや経験、日本クオリティの仕事を海外で実践すれば、高確率で成功する分野もあると思います。

海外が先、日本が先、という順番は様々あると思いますが、若いうちに日本基準の仕事や経験を積むことも個人的にはオススメです。

 

C:就活・転職に関して様々な道があるということが勉強になりましたし、高林凌さんは、まさにロールモデルだと思いました。

 

B:僕の「3年ごとにキャリアアップして最終的に独立する」という決断に至った大きなきっかけは、大学生のときに社会人向けのマーケティング勉強会に参加したことです。

その勉強会では大企業に勤める役員の方も多く集まり、講演者がプレゼンをして、後に懇親会をするという内容のものでした。

「この人はすごい!」と感じた人も多かったなか、なかには定年手前で会社の肩書を盾にして、魅力的な働き方をしているように見えない方も一定数いらっしゃいました。

30年も働いて自分はそうはなりたくないと、言わば反面教師を見て、若いうちに力をつけないといけないと気が付き、行動することにしました。

 

 C:就活というと、どこか組織に入って安心を得ることを目的にしてる人が多いと思うんです。それよりも「自分の軸」や「理想像」といった、こういう人でありたいみたいな理想像が大切なのだと感じました。

 

B:例えば学生の方なら、現在、自分の身の回りにいる人は10~20年後には関わりが少なくなってると思います。

中には一生の付き合いになる方も現れると思いますが、あくまで一つの通過点に過ぎないと思うので、その人たちに自分の人生を左右されるのはもったいないと思います。

今の段階で、色んな手段や選択肢を知って「ベスト」な回答を常に出すのは難しいと思いますが、可能な範囲で人に聞いたり、本を読んだりして、最終的には自分に与えられた選択肢の中で「最高のベター」な選択ができるといいのかなと思います。

 

 さいごに

 

インタビューをしていく中で、高林さんのキャリア設計や働き方に対しての根底的な考え方が伝わってきました。

海外への転職を自己分析ツールのように活用し、加えて、自分のスキルを磨くためのマイルストーンにしていらっしゃる姿はまさにロールモデル。

海外で働きたい方が一歩踏み出せるような内容でしたし、生き方に深く通ずる名言も多く、貴重なお話が聞けました。

皆様も、参考にしてみてください。

 

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執筆者

mirai

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