前記事では、なぜ日本人が英語を習得できないのか?について解説しました。その唯一の解決方法は第二言語習得理論を元に学習をすることです。本記事では、実際に第二言語習得理論を使った英語学習のプロセスを公開していきます!
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➡英語力ゼロからスラスラ英語が使えるようになるプロセスを大公開 前編
目次
CEFR(セファール)とは、移民の多いヨーロッパで生まれた言語スキルを国際基準で指標化したものです。
例えば「私は計算が得意です!」と急に言われても実際どのくらい出来る方なのかわかりませんよね。
そこで、みんながわかる基準として簿記検定という指標があります。
このように言語レベルに国際基準を設けたのがCEFRです。
ただし、英語の基準といえば『英検』や『TOEIC』などがあります。
しかし、こちらは日本基準なので海外の方には、なかなか通用しません。
つまり、国際基準であるCEFRを使ったほうが、より海外で自分の現在地と目指すべきゴールが明確になります。
CEFRで自分の現在地と目指すべきゴールが明確になれば、あとは逆算して行動するだけです。
(英検やTOEICでもある程度基準になります)
ゴールは「吹き替えなしで映画を楽しみたい」「海外へ移住して仕事をしたい」「インバウンドでビジネスをしたい」など自分のやりたいことで構いません。
その目標は、どのくらい学習すれば達成できそうですか?
そして、どのように学習すれば達成できそうですか?
日本人に必要な英語学習時間は合計「約3,000時間」ですので、少なくても2年以上続けられる計画が必要になる可能性があります。
「洋楽を楽しみたい」で、あれば英会話は不要です。スピーキングはやらずに、その分をリーディングやリスニングに回せます。
あなたのゴールを設定すれば、あとは正しい方法で逆算するだけなのです。
実は、これこそが英語力を身に付ける公式です。
当然、時間をかけるほど覚えられますがやり方が悪いと時間がかかります。
やり方が良いと、時間を短縮できますが本人の資質(地頭、言語適正、音韻記憶など)と合っていないと効率的とは言えません。
ですので、この3つをバランスよく自分ごとに落とし込む必要性があります。
それでは公式の内容を深堀をしていきます。
日本人が困らないレベルで英語が使えるようになる3,000時間で公式にあてはめると
達成時間 | 学習時間 | 学習方法 | 資質 | |||
3,000 | = | 3,000 | × | 1 | × | 1 |
こちらが学習方法や本人の資質にも問題がない一般的な場合ですね。
達成時間 | 学習時間 | 学習方法 | 資質 | |||
3,000 | = | 6,000 | × | 0.5 | × | 1 |
こちらのケースは資質に問題がないのに自己流でやってしまったり、合わないスクールで学び、時間がかかるパターンです。
いまのあなたを公式に当てはめると、どうでしょうか?
英語がなかなか身につかない、ということであれば学習方法が今のあなたに合っていない可能性が非常に高いです。
もし、これから英語を学びたい!ということでしたらこちらの公式をぜひ意識してみてください。
準備が出来て、さあ英語学習を始めよう!という方はたくさんいます。
しかし、もったいないことに継続ができない!という方からの相談が本当に後を絶ちません。
でもそれは当たり前です。なぜなら人間の脳は新しいことを拒否するように作られているからです。決してあなたが悪いわけではありません。
というのも、脳は生命を維持するためにエネルギーを出来るだけ消費したくないので、新しい挑戦はせず同じことを繰り返して省エネで生きたい、という本能があります。
あなたもこのような経験はありませんか?
『毎日ウォーキングを10分する』と決めて1か月続けても、台風で3日間休むと晴れているのに、なかなか再開できない…。
これはまだ、脳が習慣化しておらず、新しい挑戦をしていると認識しているためです。
最低3か月はやり続けないと脳が習慣と認めてくれないので、ちょっとしたことで拒否反応が出てしまいます。
しかし、裏を返せば『毎日勉強を2時間する』と決めて、ずっと繰り返すと、脳にそれが習慣化されて逆に毎日2時間勉強がしたくなるのです。
例えば『毎日歯を磨く』ことを続けている方が「今日は絶対に磨きたくない!」とはなりませんよね。
もし、磨かなかったとすれば、疲れて寝てしまった時ではないでしょうか。
つまり、学習習慣さえ付けてしまえば、あとは英語がスラスラと話せるようになる、ということです。
この脳の構造を理解すれば、習慣の大切さが理解できると思います。
とはいえ、3か月という目標も初めは難しく感じるかもしれません。
そこで学習習慣を作るための方法をご紹介します。
もし、あなたが英語をビジネスレベルまで習得したいのだとすると、一番上にあるStage6を目指す必要があります。
当然英会話が出来るレベルを求められるので、すぐに英会話スクールに入会します。
しかし、これこそが英語学習で失敗する人がよくやりがちなパターンです。
英語力を身に付ける上でもっとも大切なことはゴール設定とそこから自分の現在地を把握して逆算することです。
つまり、今なんとなく英文が読める、というレベルであればStage1が中途半端になっている可能性があるため、基礎固めから学習始める必要があります。
リーディングが出来るようにしながら、読めた内容に音を一致させてリスニングで英語を聴けるようにして初めてリスニングがスラスラ耳に入ってくるようになります。そして、文の作り方を学び、それは反復させることでスピーキングが出来るようになる、というのが人間の脳の仕組みなんです。
しかし、これを理解せずに英語を話せるようなりたい!とスピーキングから始める方が多いのが現状です。
例えるならバットとグローブを初めて触った状態で素振りもせずに、野球の練習試合に出るようなものです。
Stage1である、基礎力こそ英語の源です。
ひらがなやカタカナ、漢字を習っていない子供が本を読めないように、基礎である単語がわからないと英語もできません。
そして単語がわかってくると、今度は日本語とは異なる英語の文法の使い方を知る必要があります。
では、ここでドキドキ文法2択クイズです!
「あなたは海外へ行ったことがありますか?」を英語にすると正しい文章はどちらでしょう?
10秒で答えてみてください。
①Have you ever been abroad?
②Have you ever gone abroad?
あなたはわかりましたか?
正解は①です。
丸暗記で英語を覚えてきた方は「行く=go」と覚えているので②と答えがちです。
しかし、have +goneを組み合わせると「行ってしまった」→「亡くなった」というニュアンスになるので②は使いません。
goには戻るという意味がないので、行ったきりになってしまうんです。
これが文法を理解する、ということです。
漢字を覚えるときも「髪」という字を丸暗記するのは難しいですが、「長い三本の友達」と意味を持たせると覚えやすいですよね。
このように英語も意味で覚えると呑み込みが早くなり、忘れなくなります。
Stage2である、読む力の解説をしていきます。
リーディングで一番大切なのは、「ここまでが意味のかたまりだ!」と理解することです。
では仮に、外国人の方からメッセージをもらったとしましょう。
「ワタシハ イマ トウキョウ ニ イマス」
と送られてきても、すぐに意味がわかりますよね。
でも、相手がかたまりの意味がわからずに区切ってきたらどうでしょうか?
「ワタシハイ マトウ キョウ ニイマス」
上手く読み取れずに、意味を考えてしまいます。
これが『かたまりで理解する必要がある』ということです。
英語も同様に、区切る場所がおかしいと伝わりません。
例えばこのような形です。
“I / have been studying / English / for three years.”
「私は / 勉強しています / 英語を / 3年間。」という直訳ですが
『have+過去分詞』で区切る文法を知らないで直訳すると
“I / have / been / studying / English / for three years.”
「私は持っています。Been? 勉強すること / 英語を / 3年間」というおかしい日本語になってしまいます。
だから文法を理解して区切る場所を知る、ということが重要なんです。
Stage3はリスニング。
先ほどのリーディングで学んだ英語を、英語として聞き取れるようになれることです。
初めはどうしても耳がまだ英語に慣れておらず、難しいかもしれません。
しかし安心してください。リスニングを伸ばすポイントは2つだけです。
①概要と詳細の理解
日本人同士の会話でも、急に何の話題かわからない話をされると理解できないことってありますよね。
同様に英語でも、まず相手が何の話をしているのか?という概要を把握することが大切です。
それだけで、ポイントとなる単語が勝手に拾えるようになります。
例えば「pet」という単語入っていれば、ペットの話かな?と想像できますし、さらにlet’s getというワードが拾えると、ペットを飼いたいのかな?という推測がたちます。
②ワード パー ミニッツ(words per minute)
これは1分間の会話にどのくらいワードが入っているか理解できる、ということです。
よく教材で使われる聞きやすい初心者用の英語で100ワードほどですので、これくらいが聞き取れれば日常会話は可能です。
そして、本場のネイティブであれば少なくとも1分間で150ワード~250ワード以上の量になりますので、教材を1.5倍速で再生するとイメージがつきやすいでしょう。
ちなみに、映画の字幕なしを楽しみたい、という方はあまり参考書に載っていないようなネイティブの発音やスラング英語、専門用語を理解する必要があるので意外にハードルは高いです。
ここまでの流れは、英語を覚えるためのインプット。
そしてここからが、さらに実践的なStage4以降のアウトプットのフェーズです。
インプットをいくらしても、アウトプットが出来なければこれまでの学習が無駄になってしまいます。
まずはたどたどしいスピーキングやライティングで全く問題ないので、英語をアウトプットしていきましょう!
実践こそが、実用的なレベルまで引き上げてくれる学習方法です。
独学で話せるようになるほど、日本人にとって英語は甘くありません。
それは、言語間距離が関係しています。日本語と英語は最も遠い位置関係にあり、日本人には非常に難解な言語だからです。
数日間の海外旅行であればアプリや参考書でも問題はありませんが、もっと上位の日常会話やビジネス英語、映画や音楽を楽しみたいとなると、アウトプットをする機会がなければ難しいです。
ここからは、さらに実践的な学習方法をお伝えしていきます。
1日5分だけ” 何も調べず “に英語で書いてみます。
日本語では絶対書かないような簡単な内容でも大丈夫です。
例えば「今日は青信号ばかりで、一度も赤信号で停まらなかった」と日本語で書きます。
次にその英訳を書いてみてください。
やってみると、簡単な文章でも案外難しくないですか?
ですので、やり始めは1日1文でも限界が来ます。ただ、毎日続けてみると1か月後には1日10文でも余裕になってきます。
日記を書くのは単語と文法の勉強になり、発想力がついて様々な応用が利くのでオススメです。
ここからはStage4以降の実践的なお話をしていきます。
文章を見ながら、同時に音声を聞きつつ、発声する方法です。
あなたは歌の歌詞を覚える時にどうしていますか?
日本語の歌詞ですら、耳だけだとどうしても聞き取れないことがあるかと思います。
でも、歌詞カードを見ながらだと聞きやすいですよね。さらに口ずさむと、もっと歌が覚えやすくないですか。
これを英語でもやりましょう!という方法です。
オーバーラッピングを効果的にやることができれば、発音も改善されますし、英語の意味を正しく理解できるようになってきます。
こちらは文章を見ずに耳だけで理解して、発声する方法です。
効果的ではあるものの、もともと同時通訳のために生まれた学習方法なので、かなり上級者向けです。
英語を習得する目標が通訳、討論、プレゼンという方は慣れてきたらこちらの方法が良いでしょう。
座学だけで勉強しようとすると、なかなか時間がかかります。
そこでやって欲しいのが、日常に英語を取り入れる方法です。
まずは、そのとき思ったことを英語にして発声してみましょう。
「この焼肉おいしいけど、少し固いな。次は柔らかいカルビを頼もう」
どうでしょう?上記の独り言の英語がパッと思い浮かびましたか?今すぐわからなくても大丈夫です。
普段から英語に変換するクセを続けることで、確実に話せるようになっていきます。
英語の話をずっとしてきましたが、実は英会話の前に最も大切なことがあります。
それは、まず日本語で書いて話せることを増やす、ということです。
昨今のグローバル化から「英語を学びたい!」という方がいま非常に増えていますが、そもそも日本語で上手く話せるか、という根本的な問題があります。
ここでいう日本語で上手く話せるか、というのは
『言いたいことを相手に伝えて、相手の賛同が得られる』
『書いたメッセージにまとまりがあって、読み手に意味が通じる』
ということです。
日本語しか話せないのに、その日本語ですら何を言っているかわからない、と言われる方や
メールや手紙を書いても、どういう意味?と聞き返される経験をしている方が意外に多いのです。
ですので、まずは英語を学ぶ前に、普段の自分の生活をさかのぼってみてください。
相手の顔が「?」マークだったり、いつも同じような偏った表現方法を使っていませんか?
また、メールやSNSでのやり取りで、相手に伝わらず何回もやり取りをすることがありませんか?
まずはしっかりと日本語の語彙力を身に付けて、文章校正を理解してから第二言語に入ったほうがスムーズです。
アウトプットが大事だとわかっていも、それを実践する場はなかなかありません。
たどたどしい状態でも良いので、リスニングやスピーキングが出来るようになってきたら、外国人の方に話しかけてみましょう。
初めは緊張するかもしれませんが、来日しているだけあって日本人と仲良くなりたい、という方は非常に多いです。
外国人の友達を作るオススメの方法はこちらです。
大学には必ずといっていいほど外国人の方が在籍されています。
彼らは日本語を学びたいのですが、私たちと同様に困っていることがほとんどです。
こちらから積極的に話しかけて、リアルなお互いの知見や文化、言語の違いを知るチャンスです。
meetupというプラットフォームでは、様々なジャンルでイベントが開催されています。
その中でも、外国人の方が集まっているものや英語での交流会など、目的にあったイベントに参加ができるので自身の英語のアウトプットをする良い機会となります。
こちらはお互いの言語を教え合おうというアプリやサイトになります。
ネイティブや地元民が使うスラングなどを学ぶことができます。
ただし相手は一般人が多いため、わかりやすくキッチリとした英語、というよりはフランクな形式になることが多いでしょう。
英語力ゼロでワーホリや留学先へ行った方は、結局誰とも話せないので働くこともできず、家でひたすら単語帳とにらめっこすることになります。
冗談のようで、これが真実です。
これでは、限られた滞在時間がもったいないですよね。
逆に、海外へ行って英語力を身に付けている方は事前準備をしっかりとしています。
では、事前準備をしている方が実際にどんなことをしているのでしょうか?
英語力を身につけた先輩たちが実践している、国内でも楽しみながら学習する方法をお伝えします。
好きな映画を観るのも良いですが、弁護士モノや医療ドラマだったりすると専門用語が多くスピードも早いため通訳レベルでも聞き取るのが困難です。
そこで、英語を理解するのにオススメなのが世界でヒットしているアニメです。
なぜならストーリーが理解しやすく、子供も楽しめるように会話も明瞭で聞きやすいものが多いからです。
たとえば『トイ・ストーリー』や『アナと雪の女王』あたりは理解しやすいので、最初は字幕をつけて視聴し、慣れてきたら字幕なしでチャレンジしてみてください。
ただし、基礎学習をせずに映画やドラマばっかりみてもお経を聞いているのと同じです!しっかりと基礎学習も行いましょう。
こちらも同様にハッキリと明瞭に聞こえるものが良いでしょう。
とはいえ、音楽の場合は何回もリピートをして聞くので、まずはあなたの好きな曲から始めるのがオススメです。
ただし、ポイントとして歌詞カードとその英訳がついていることが条件です。
なぜなら歌詞カードを目で追いながら、耳で聞き、口ずさむことで、その文法の意味を早く理解することが出来るからです。
このように、日本国内でも日常的に楽しみながら英語にふれることでモチベーションを保つことができます。
ここまで読んだあなたはとても素晴らしいです!間違いなく英語力を身に付ける才能があります。
ぜひ、英語を身につけて世界で自由に活躍できる人生を送っていきましょう!
最後のまとめになりますが、英語学習にはゴール設定とそれを達成するための正しいプロセスがあります。
そしてそれは、第二言語習得理論にすべて入っています。
世界の天才たちが長きにわたり研究して作り出したロジックですので、英語学習にこれを利用しない手はないでしょう。
これまで英語力がなかなか身につかなかった、という方は第二言語習得理論に沿った学習プランの作成をお願いするのが一番の近道です。
少しでも興味がある方は、CEFRを使ってあなた専用のロードマップをお作りしますので、ぜひ体験してみてください!
英語で失敗したくなくて、いろんな英語学習を試してみた。
独学、オンライン英会話、3ヶ月の英語コーチング。
でも、自分の英語力を伸ばす方法がいまいちわからない。
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