
英語学習を始めると、「現在分詞」や「過去分詞」という用語に出会います。名前に「現在」「過去」とついているので、それぞれ現在形や過去形と混同してしまう人も多いかもしれません。2つの違いを使い分けできるように、例文を使って徹底解説していきます。
目次
分詞とは、動詞から派生して形容詞のような働きをする語のことです。動詞に「-ing」をつけた形が現在分詞、動詞に「-ed」をつけた形(※不規則変化もあり)が過去分詞と呼ばれ、これらをまとめて「分詞」といいます。
例えば「talk(話す)」という動詞からは「talking(話している)」という現在分詞と、「talked(話された)」という過去分詞が作られます。
現在分詞と過去分詞は、動詞でありながら文中で形容詞のように名詞を修飾したり、動詞の一部(進行形・受け身・完了形など)として使われたりします。
「動詞と形容詞の性質をあわせ持つ言葉」だから「分詞」と呼ぶわけですね。
しかし、現在分詞と過去分詞では意味合いが異なります。
現在分詞は基本的に「〜している」という能動的・進行中の意味を持ち、過去分詞は「〜されている」という受動的・完了した意味を持つと考えると分かりやすいです。まずは、それぞれの使い方を具体的に見ていきましょう。
現在分詞は動詞の語尾に「-ing」をつけた形で表され、基本的な意味は「〜している」です。ここでは現在分詞の形と意味を確認し、その主な使い方を例文とともに紹介します。
現在分詞は動詞の現在進行形と同じ形(動詞+ing)ですが、時制を表す現在形・過去形とは異なり、語形の名称です。
例えばrun(走る)の現在分詞はrunning、eat(食べる)の現在分詞はeatingという具合です。多くの動詞は「原形+ing」で現在分詞になりますが、動詞によってはスペル変更(例:sit→sitting、make→making)のルールもあります。
現在分詞自体の持つ意味は「〜している」で、動作や状態が進行中・能動的であることを示唆します。
例えば「laughing(笑っている)」、「moving(動いている)」のように、主語が今まさにその動作を行っているニュアンスです。
一部の現在分詞は慣用的に「〜させる」という能動の意味合いでも使われます(これについては後述の形容詞的用法で説明します)。
現在分詞は大きく分けて2つの場面で使われます。
1つは進行形、もう1つは形容詞的用法です。それぞれ例を挙げながら見てみましょう。
■進行形
現在分詞はbe動詞+現在分詞の形で「〜しているところだ」という進行形を作ります。
例えば
「He is studying English.」
(彼は英語を勉強している)
studyingが現在分詞で、継続中の動作「勉強している」を表現しています。
この用法では現在だけでなく過去進行形(was/were+ing)や未来進行形(willbe+ing)など時制に応じて使われ、動作がその時点で進行中であることを示します。
■形容詞的用法
現在分詞は形容詞のように名詞を修飾し、「〜している(最中の)○○」という意味を作れます。修飾の位置は名詞の後ろからも前からも可能です。
例えば、
「The man talking on the phone is my teacher.」
(電話で話している男性は私の先生です)
talkingが現在分詞で名詞the manを後ろから修飾し、「話している(talking)」という情報を付加しています。
また、「a sleeping baby」(眠っている赤ちゃん)のように名詞の前に置いて「〜している○○」と表すこともできます。
このように、現在分詞は能動的な意味を持つため、「自ら〜している」ニュアンスで名詞を説明するのに使われます。
過去分詞は動詞の活用形の一つで、規則動詞では語尾に「-ed」をつけた形、不規則動詞では独自の変化形を指します。
基本的な意味合いは「〜された」「(すでに)〜した」で、受け身の状態や完了した状態を表すのが特徴です。ここでは過去分詞の形と意味を押さえ、主な使い方を例文とともに紹介します。
過去分詞は動詞によって形が異なります。
多くの動詞は「原形+ed」の形で過去分詞になりますが(例:play→played)、不規則動詞では特別な変化形を取ります。
例えばgo(行く)の過去分詞はgone、do(する)はdoneというように、過去形とは異なる形になるものがあるので注意が必要です。
動詞の第3変化形(原形-過去形-過去分詞形の3番目)にあたるのが過去分詞です。
過去分詞が持つ基本的な意味は「〜される(受動態的な意味)」「〜した(完了した状態)」「〜してしまった(完了形での意味)」などです。
つまり、主語がその動作を受け取る側であったり、動作が既に完了していたりするニュアンスを含みます。例えば「broken(壊された→壊れた)」「finished(終えられた→終わった)」のように、何かによってそうなった状態・結果を示す語感があります。
過去分詞は、現在分詞と同様に動詞の一部として使う場合と形容詞的に使う場合があるので、それぞれ例を通して見てみましょう。
■受動態(受け身)を表す過去分詞
過去分詞はbe動詞+過去分詞の形で「〜される」という受け身の文を作ります。
例えば、
「This cake was made by my mother.」
(このケーキは母によって作られました)
madeが過去分詞で「作られた」という受動態を表現しています。
「主語が他から何らかの作用を受けた」ことを表すのが過去分詞の役割です。受動態では動作を行った相手(この例では母)を示すときにby~を付け加えます。
■完了形を表す過去分詞
have+過去分詞の形で現在完了・過去完了などの完了形を作り、「〜したところだ」「〜してしまった」といった意味を表します。
例えば「I have finished my homework.」
(私は宿題を終えました)
finishedが過去分詞で、「終えた(完了した)」状態を示しています。
完了形では過去分詞が動作の完了・経験・結果などを表現し、時制はhave/hasやhadなどの助動詞側で示されます。
過去分詞自体に現在・過去といった時制の区別はありませんが、完了形で使うことで「今〜したところだ」「その時までに〜していた」など文全体の時制が決まります。
■形容詞的用法(受動・完了の意味で名詞を修飾)
過去分詞も形容詞のように名詞を修飾できます。
現在分詞が「〜している○○」を表すのに対し、過去分詞は「〜された○○」「〜した○○」のように受け身や完了の意味で名詞の状態を説明します。
例えば、「a broken window」(壊れた窓)ではbroken(breakの過去分詞)が「壊された→壊れた」という受身・結果の状態を示しています。
また、「the chosen candidate」(選ばれた候補者)のように、動作の結果そうなった(選ばれた)という意味合いを持ちます。
さらに、過去分詞の形容詞的用法として頻出なのが感情を表す形容詞です。
例えばinterested(興味を持った),surprised(驚いた),tired(疲れた)などは元々動詞の過去分詞形ですが、人の感じる状態を表す形容詞として定着しています。
これらは「〜された」という受動のニュアンス(何かによってその感情を与えられた状態)を含んでおり、主語の状態を説明します。
対になる現在分詞形(interesting,surprising,tiringなど)は「人を〜させるような」という能動の意味合いで物事の性質を表すので、この違いについては次の章で詳しく解説します。
ここまで現在分詞と過去分詞それぞれの用法を見てきましたが、最後に両者の意味の違いと使い分けのポイントを整理しましょう。ポイントはシンプルで、『その分詞が能動的な意味か受動的な意味か』です。
現在分詞は主語(または修飾する名詞)が自らその動作をしていることを表します。
言い換えると「〜する側」のイメージです。
例えばrunning manは「走っている男(=男が走っている)」、exciting gameは「わくわくさせる試合(=試合が人をわくわくさせる)」という具合です。
現在分詞は能動態(主体が動作を行う)のニュアンスを持つため、名詞との関係が「能動関係」であるときに使われます。
一方で、過去分詞は主語(または修飾する名詞)が他からその動作を受けることや、動作の結果として状態が完了していることを表します。
つまり「〜される側」「〜された状態」のイメージです。
例えばa broken glassは「割れたコップ(=コップが何かによって割られた)」、interested peopleは「興味を持った人々(=人々が何かに興味を持たされた→興味を持っている人々)」という意味になります。
過去分詞は受動態(主体が動作を受ける側)のニュアンスを持つため、名詞との関係が「受動関係」のときに使われます。
名詞と分詞の関係を考えて、「その名詞はその動作をしているのか?それともされているのか?」を判断すると適切な形が選べます。
例えば「興奮させる試合」なのか「興奮した試合」なのか迷ったら、試合が「興奮させる側」か「興奮させられる側」かを考えます。
試合そのものは人を興奮させる立場なので、正しくはexciting game(興奮させる=わくわくするような試合)です。反対に「興奮した観客」なら、観客は何かによって興奮させられた(興奮した)状態なのでexcited audienceが正解になります。
このように主語や名詞が能動か受動かを意識すれば、現在分詞と過去分詞の使い分けはぐっと簡単になります。
もう一つ注意したいのは、現在分詞由来の形容詞と過去分詞由来の形容詞で意味が逆になるペアが多いことです。
例えばboringとboredも典型例です。
「I am bored.」は(私は退屈させられている=退屈だ)」という受動の意味、一方「I am boring.」では(私は退屈させる=つまらない人間だ)という能動の意味になり、真逆の意味になってしまいます。
学習者が間違えやすい分詞形容詞の例としては他にもinteresting(興味深い)interested(興味を持った)、tiring(疲れさせる)tired(疲れた)などがあります。これらも「〜させる(能動)」か「〜させられた(受動)」かで意味が変わるので、セットで覚えておくと良いでしょう。
最後に、英語の分詞についてつまずきやすいポイントや間違いやすい点を整理します。
■動名詞と現在分詞の違いに注意
動詞の-ing形には現在分詞のほかに動名詞と呼ばれる用法があります。
動名詞とは「~すること」という意味で名詞的な働きをするものです。見た目は現在分詞と同じ「~ing」でも、文章中で主語・目的語になっていれば動名詞、形容詞として名詞を修飾していれば現在分詞です。
例えば、「Swimming is fun.」のswimmingは「泳ぐことは楽しい」という主語の役割で動名詞、一方「The boy swimming in the pool is my brother.」のswimmingは「プールで泳いでいる少年」という風に名詞を説明しているので現在分詞です。
このように、動名詞か現在分詞かは文中での働きで区別され、厳密に線引きできない曖昧なケースもありますが、初心者のうちは「名詞の位置にあれば動名詞、名詞を修飾していれば現在分詞」と大まかに捉えて問題ありません。
■不規則な過去分詞形の習得
前述のとおり過去分詞には不規則変化をする動詞が多く存在します。
初歩の段階では規則変化の-edをつける形で十分ですが、英語力を伸ばすためにはよく使われる不規則動詞の過去・過去分詞形も暗記していく必要があります。
特に間違いやすい例だとgoの過去形はwentですが過去分詞はgone、doの過去形はdidですが過去分詞はdoneなど、過去形と過去分詞が違う単語になるケースです。
このような動詞は学校教材などによく出てくる基本的なものから覚えていきましょう(不規則動詞の一覧表などを参考にすると効率的です)。
また、過去分詞と紛らわしい形に過去形があります。
規則動詞では過去形と過去分詞が同じ形(例:wantedの過去形も過去分詞もwanted)なので混同しやすいですが、文中での働き(時制を示す動詞か、形容詞的に使われているか)に注目すれば区別できます。
■現在分詞・過去分詞の形容詞用法のよくある間違え
現在分詞由来の形容詞と過去分詞由来の形容詞は意味が正反対になる場合があります。
学習初期には○○ingと○○edのどちらを使うべきか迷うことが多いですが、その名詞(や主語)が「〜する側か、〜される側か」を考える習慣をつけましょう。
例えば「その映画はとても感動した」と言いたい場合、日本語に引きずられて「The movie was very moved.」と書くのは誤りです(movedは誰かに感動させられて「感動した」という人の側の状態を表します)。
映画が人を感動させる側なので、「感動的だった」という意味のmovingを使って「The movie was very moving.」としなければなりません。
同様に、「私はその映画に感動した」なら「I was moved by the movie.」(受動態的ニュアンス)となります。
このように、日本語の「〜した」「〜している」だけに頼らず、主語と分詞の関係まで考えることが大切です。
いかがでしたか?
英語の現在分詞・過去分詞は、動詞から派生した特別な形であり、文法の中でも最初は難しく感じるかもしれません。しかしポイントを押さえれば決して怖がる必要はありません。
今回解説したように、「現在分詞=能動的・進行中の意味」、「過去分詞=受動的・完了した意味」という違いを意識すると、多くの場合どちらを使えばよいか判断できます。
また、分詞を使いこなすことで英語表現の幅が広がります。名詞を手短に説明したり、分詞構文で文章を簡潔にしたりと、上級者への第一歩ともいえる重要なスキルです。
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